ろあん松田(兵庫県篠山口) その① 蕎麦ひとそろえ
夏休みに京都行きを決めた時、足を延ばしてどうしても行ってみたい蕎麦屋があった。
ろあん松田。
「別にいいよ」と最初は賛成してくれていた連れも、厳しい条件を知るにつれ、「今回は諦めたら」と反対するようになった。
それもそのはず。
新幹線で新大阪から福知山線で篠山口駅まで約1時間。そのあと、タクシーで20分(片道約4000円!)。費用が半端なくかかる上、東京から直接行くには4時間はかかるので、ぎりぎりのスケジュール。しかし時間節約で飛行機にしたら、なお費用がかかる。
連れは正しい。
泣く泣くあきらめて、今回は灘の酒蔵巡りを中心に計画変更していたら、出発の5日前になって「どうしても行きたいならいいよ。」とGoサイン。
行かなかったらきっと後悔する。
慌てて予約し、計画を練り直した。
3日前、集中豪雨土砂災害で福知山線が全線不通になってしまう。一時は中止を考えたがどうにか前日に一部復旧。ギリギリセーフ。
当日は念の為、時間を早めて早朝に出発。
店の営業時間は11時半、14時、18時と入替制。
11時半の予約をお願いしているので、予定通りの電車に確実に乗り継ぐよう
少し緊張した旅の始まりだった。
篠山口駅に予定通り到着。ここからはタクシーで移動。
運転手さんから地元の特産物や生息している生き物の話など、篠山のいろいろお聞きしながら、田畑を抜け、山里を進んで行く。
栗、山の芋、黒豆、米そして源氏ボタル、鹿、猪、猿。
ここには豊かな恵みをめぐり、人間と動物との葛藤もある。
田畑には猪除けの柵と、鹿除けの電気柵が張り巡らされている。
田にはところどころ猪の突進した跡が残っている。
柵を張っても、どこからか入って、米を食べてしまうのだそうだ。
しかしこの猪たちも、秋から冬にかけて牡丹鍋で人気のメニューになる。
車はポツリポツリと点在する集落を抜け、なだらかな山道を進む。
ほどんど家が見当たらない、さらに奥深い山道の手前で車は止まった。
「ここですよ」
道の途中に看板や旗、表示も全くない。
初めて来たら、うっかり通りすぎてしまうだろう。
暖簾もない入口に見つけた手がかり。
ろあん松田の小さな表札。
予定時刻 5分前。
火鉢を置いた待合に座るとすぐに女将さんが迎えてくれる。
東京からの無事の到着を労ってくれるのがうれしい。
個室と和室と眺めの良い広間のテーブル席があり、好きなところをと選べる。
左側には先客は1組のご夫婦。
同じ部屋にはなるが、右側のテーブル席を選ぶ。
冷たいどくだみ茶と揚げそば
予約したのは蕎麦ひとそろえ
3種類の蕎麦をコース仕立てで楽しめる。
順番は
①もりそば②冷かけ③おろしそば又は山芋そば
②番目の冷やかけは、プラス1260円で鴨汁そばに出来るとのこと。
連れは冷かけ、私は温かい鴨汁を選ぶ。
③番目のそばは、連れが山芋そば、私はおろしそばを一つづつお願いする。
天だねをプラスしてかき揚そばにも出きるが、さすがにそれは止めた。
日本酒 1300円より
お聞きすると本日は3種類。
日高見 純米
山形正宗
王禄 純米吟醸
外国ビールが充実してますね。
携帯のアンテナは「圏外」・・・
日常から離れて、深い緑の山や畑を眺めながら、
蕎麦ひとそろえ ゆっくりスタートする。
« にこら(京都市上京区) 上質の時間を蕎麦屋で・・・ | トップページ | ろあん松田(兵庫県篠山口) その② 蕎麦ひとそろえ »
この記事へのコメントは終了しました。
« にこら(京都市上京区) 上質の時間を蕎麦屋で・・・ | トップページ | ろあん松田(兵庫県篠山口) その② 蕎麦ひとそろえ »
コメント