中清(吉祥寺) 屋守 豊島屋酒造の会
吉祥寺の手打ち 中清は 今年90周年を迎える。
そのイベント第一弾として5月の土曜日に 屋守(おくのかみ)の会が開催された。主催者はキャミパンさん。
「屋守」は、東村山の豊島酒造のお酒だが、限定流通のお酒。出会いを期待して、蔵開きや、呑み切り(前回記事)のイベントをのぞいても、金婚と十右衛門にしか会えない。
12年前に、4代目田中孝治さんが仕事を辞められ蔵に戻った時、「端麗辛口とは違う酒を造ろう。」と、製造部にぶつけて生まれたのがこの屋守(おくのかみ)という。
取扱いしている酒販店は少ない。数量限定なのでなかなか手に入らない。
蕎麦屋、居酒屋のメニューに並ぶことが多くなってきたけど、だいたい品切れしていることも多い。
蔵から田中さんをお招きして、屋守の会を開催すると聞いて、慌てて申し込む。
募集開始からあっという間に満席。酒の会始まって以来の最短記録だったらしい。
出品酒はなんと13種類。
乾杯は 1番金婚正宗 大吟醸 出品酒 火入れ。
田中さん直々に注いでいただく。
今回の出品酒について、
「定番のものは1本も無い。」「ずっと飲んでないものもあるけど。ノークレーム、ノーリターンでね。」
最初の挨拶から始まって、その語りはとても面白く、超パワフル。熱く、延々と途切れることが無い。
いただいたお酒。
東村山の蔵の地下150mから汲み上げている仕込み水はメチャウマ。
今日はたっぷり用意されている。
13種類の呑み比べ。その内容はとても面白く興味深いものだった。
田中さんの熱いトークでさらにいつもより杯がぐいぐいすすむ。
3番・4番: 使用酵母も米も同じ中でメーターを早めに切った日本酒度の違うお酒の呑み比べ。1.6度と酸がしっかりしているので甘さがあっても「炭酸のしっかりしたコカコーラ」のようにすっきりいただける。どちらかと言えば、好みはやはり辛口の4番かな。
6番・7番・8番: 同一仕込みタンクのお酒を袋吊るしで上層部分・中層部分・下層部分に分けて詰めたもの。澄んだ・うすにごり・ほぼオリと、贅沢に3つの層を味わえるなんて幸せ。キリっとした酸がしっかりあり美味しい。
写真は8番 オリの部分はタンクでいうと5本分ぐらいしか取れない超レアなもの。
酒袋から出てくるオリは、絹のように滑らか。ありがたくいただきました。
9番: 唯一の火入れ。これは「常温で戻した方が良い」と田中さんの言うとおり、温度が上がってくるとさらに旨味がきわだった。落ち着いた中にも屋守らしいのみやすさがある。
10番: 唯一の十右衛門。 これがメチャ美味かった。(メモに花丸が付いている♪)酵母は宮城酵母を使っているとのこと。
11番・12番: 2年前から酒米に雄町のお酒も作り始めたとのこと(他は八反錦)。雑味がなくすっきり。直汲みは発泡感ありとてもジューシー。
13番: 12月に仕込み、氷温で囲っている(とメモ)。フレッシュな口当たりと落ち着きのミスマッチ(とメモ)。
いろいろメモしたのだが、ちょっと怪しいです。ごめんなさいね。
いずれにせよ、とことん屋守を楽しんだ。
屋守を最初は「ヤモリ」と読んでしまう方も多いのでは・・(私がその一人)
家(蔵)を守るという意味でもあるらしい。
そのラベルにはいつもヤモリのイラストが描かれている。
このイラストを描かれた塚本さんが本日お手伝いで参加されている。
「この道に導いてくれた」方として、田中さんが塚本さんをご紹介。
さて、中清さんの料理と蕎麦がまたすごい。
まずボリュームのある冷奴からスタートし、酒に合う濃い目のイカの粕漬け、
豚しやぶサラダ、サーモンとしめ鯖、煮しめ、筍ごはん、カツ煮、アスパラガスの天ぷら。
どれも美味しく、お酒と一緒にガンガンいただいちゃいましたよ。
いくつか席が分かれているけど、蕎麦好きのテーブル。
こんなに料理が出ると、蕎麦が出ないんじゃないか!?と不安になってくる。
心配無用。
やっぱりこれをいただかなくっちゃね。
生粉打ち。
おとうさん、また蕎麦が美味しくなりましたね。
しばしテーブルは静かに蕎麦を手繰るのに集中。
粗挽き十割 4日熟成。
ムチッとした食感、ナッツのような芳ばしさ。
熟成蕎麦は温度管理と期間の見極めが難しい。
熟練の味を堪能。と言っても、5人で一皿じゃあっという間。
今回の玄蕎麦を見せていただく。
小さい!!
滋賀県長浜在来の小そば。
玄蕎麦のまま齧るとじんわり甘い。ますます蕎麦も面白くなっていますね。
13種類と、一周した屋守はリクエストタイム。
一升瓶は次から次へと空になっていく。
いつになく、皆熱い、凄い勢い。
燗酒も一通りいただきました。
メモを見ると、「9番の火入れが一番燗にして良かった」と、ある。10番のお燗も良かった。それ以外は、冷やしていただいた方がずっと美味しかった。
5勺のグラスはほとんど並々。こんなに冷たいお酒をいっぱいいただいたのはほんと久しぶり。でもすっきり、いい気分なのだ。
(↑写真提供 キャミパンさん)
熱く、美味しく、最高の時間でした。
田中さん、塚本さん、中清のおとうさん、女将さん、キャミパンさん、ご一緒いただいた皆さん
ありがとうございました。
(夜の蔵見学 よろしくです~。)
手打ち 中清
興奮冷めやらず、2次会。
駅前のハーモニカ横丁入口の立ち飲み居酒屋ポヨPOLLO。
立ち飲みにはいい季節になってきました。
チキンと玉葱のグリル、ピクルス、サラミの盛合せ。
これも病み付きになりそう♪
ポヨ POLLO
« 手造り蕎麦 季より(牛久) ゆったりソファーで石臼手挽きそばのコース | トップページ | 夢の饗宴 野あえ&菊谷&こだまトリプルコラボ会 »
この記事へのコメントは終了しました。
« 手造り蕎麦 季より(牛久) ゆったりソファーで石臼手挽きそばのコース | トップページ | 夢の饗宴 野あえ&菊谷&こだまトリプルコラボ会 »
コメント